大した内容ではありませんが各地の自治体さんや企業、団体さんでもし必要があれば使ってください。
仕組みとか環境に手を入れるところはいろいろやり方はあるので、分からなければお声掛けください。
正直、あまり上手いやり方をしていないところは結構多いです。
そして、本当に使ったところあれば一声掛けてくれると末端研究者としては有難い限りです(笑)。
余計なことを言えば、この機会はいろいろ「変わる」チャンスでもあります。
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自治体向けのご提案 〜節電からオフピークへ〜
1.節電とオフピークとの違いを理解する
まず各電力会社が地域社会へ求めている節電の意味を的確に把握すること。
電力需要のピークになる時間帯の消費量を下げることが一番の目的。これを「オフピーク」と呼ぶ。今回必要なのはこのオフピークへの取組み。
全国的には平日の午後、13時から16時までが重要と言われるが、曜日や時間は電力会社ごとにやや異なる。中部電力管内は月~水の13時~16時まで。
むやみな節電、特に深夜や早朝の節電は電気料金のカットを目指す以上の社会的な効果は現在のところ薄いといえる。
2.オフピークに効果ある対策
平日の13時から16時までの電力消費の削減ができることが重要。
照明の削減、空調設定温度のアップ、クールビズなどは実行する自治体や企業はすでに多い。
これに加えて、
・仕事の仕組みに手を入れる
・仕事の環境に手を入れる
・自治体、市民として地域全体の電力消費を下げられる施策には、躊躇せずに電力を使う決断をする
などが必要。
現在の仕事の仕組みや環境を維持しながらオフピークを進めるのはかなり困難な作業になることを理解する。
業務内容や組織を夏期限定で組み替えられる自由度があるかどうかが鍵でもある。
そして自治体の役目として、地域全体として電力消費のオフピークになる施策については躊躇せずに電力を使うことを決断すべきであろう。
これは自治体にしかできぬことである。
3.オフピークに効果の無い、もしくは効果の薄い対策
例としては
・サマータイムの導入
・無鉄砲な打ち水
・街中の噴水の停止
・深夜や早朝の街路灯などの照明の削減
などがある。
業務への負荷が大きい割にオフピーク効果がない、もしくは極めて少ないことはすべきではない。
また合理的な判断で効果が薄いと結論づけられていることもすべきではない。
また、地域的な象徴として見える部分の削減を行うことも、むしろその悪影響を考慮すると得策ではない。
地域の安全や安心の確保に必要な部分も同様である。
4.楽しんでオフピークするための事例
夏期の電力使用量の少なからぬ部分に空調の使用がある。
オフピークが必要な時間帯に、空調を地域内でバラバラに各自の家や仕事場で使っている状況を出来るだけまとめてゆけば結果的に電力使用量は圧縮出来る。
無理せずに、出来るところは楽しんでオフピークに取り組むのも大切なことである。
例えば、
・空調を効かせた公共施設の開放(荒川区など)
・商業施設、商店街などでの集客に冷房や冷たいお茶の提供を活用(市川市)
・高校野球の中継を公民館などを使ってパブリックビューイング
・数家族で集まって一軒のひとつの部屋で空調を効かせて過ごす
・家庭や仕事場でも、皆が集まるなどして空調を入れる部屋を減らす
また業務のピーク時間の回避、休業としては、
・ピーク時の休暇取得の推奨(岐阜県など)
・ピーク時の窓口業務の閉鎖、集約・夕方以降の業務の推奨
・午後半休日やそれに代わる土曜日開庁の設定
・週休3日や秋以降への業務日振り替えの検討
などがある。
暑さ厳しい時間にその仕事をしなければいけないか、という判断がここには必要である。
5.弱者への配慮
むやみな節電は高齢者や乳幼児、病弱者には熱射病その他生死に関わる問題となる。
一般の人々にも体調不良の原因となる恐れもあり、その点で配慮が必要である。
精神論で節電の重要性を説くと、電力が必要な人まで節電を強いられる可能性がある。
あくまで合理的に節電の必要を広めるべきである。
・地域内、もしくは公共施設、企業などで、空調を効かせた部屋を準備しその存在を周知する
・体調不良時などには優先してその部屋を使うよう誘導する
・自宅においても、外出できない高齢者らは空調の使用を躊躇しないよう自治体は指導を行う
・空調の28度設定が室温28度をキープ出来るとは限らず、室温が28度を超える場合には設定温度を下げたり日射量のコントロール、気密の確認などを行うことが必要
などがある。
6.おわりに
これらの内容で市民からの不平や批判が出ることも考えられるが、これまでの地域との関係づくりが出来ているかどうかも節電・オフピークの有効な展開には大切なことである。
そして実行するに当たり、自治体トップや組織の柔軟性も問われることになる。
無理な節電による死者や被害者が出ないよう願う限りである。
以上
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