2011年1月6日木曜日

大学生の酒の呑み方というもの

今朝、ツイッターで流れてきたニュースで血圧を上げる。

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「佐賀大、サークルコンパ届け出制に 一気飲みなし念書も」(朝日)
http://www.asahi.com/national/update/0105/SEB201101050056.html

佐賀大学(佐賀市)は、コンパなどの飲み会を開く学生サークルに対し、計画書と、一気飲みを強要しないなどの誓約書を提出させる方針を決めた。昨年3 月、理工学部1年でラグビー部員の男子学生(当時19)が部のコンパで飲酒後に死亡する事故があり、新年会や卒業生追い出しコンパを控えて再発防止を図る のが狙いだ。
大学によると、計画書には参加者の氏名と店名、開始と終了の予定時間などを記入させる。未成年者の飲酒や一気飲みの強要などはしないという代表者の誓約書も出させる。実施に向け準備中だが、昨年12月から一部のサークルに計画書を提出させている。
佐賀大には約110の公認サークルがある。瀬口昌洋副学長は「学内には、そこまでする必要はないという異論もあったが、痛ましい事故から学生を守るために考えた」と説明する。提出しなかったり誓約に反したりした場合の罰則は今後検討するという。
昨年3月に死亡したラグビー部員は、ビールや日本酒を一気飲みしていた。大学側は、この事故の後も救急車で学生が運ばれたケースを2件把握しているという。
学生の受け止め方は様々だ。運動部の4年男子(22)は「コンパでは結構な量の酒を飲む。届け出制は仕方ない」。文化系サークルに所属する1年男子(19)は「一律に届けさせるのはおかしい。やりすぎではないか」と疑問を呈した。・・・(以下略)
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この記事を見る分に、急性アルコール中毒に関して何も解決になっていない。
計画書と誓約書はどういう効果があるというのだろう。
抑止効果というにはあまりに拙い。学生に圧力掛けて再発は無くなるのか?と。
そしてもう一つ、大学生を一人の大人(まあ1,2年には未成年もいるが)として見ているとは到底思えないというのがある。
大学生の酒の呑み方に、大学当局が介入するって何か馬鹿馬鹿しいと思ってしまう。
情報を与えるなりして自分たちで考えさせなさいよ、と(記事の末尾に同様の指摘がある)。
邪推すると、誓約書を取ることで万一次の事故が起こったときに大学側の責任逃れに使われるんじゃないかとすら感じてしまう。

自分について言えば、酒の呑み方は先輩や先生に教わったというのが正直なところ。
そして酔っ払った人間の扱い方や処置についても教えてもらった。
アルコールの血中濃度が上がるのとともに、酔っぱらいは吐瀉物で窒息するのも危ない、と。
だから酔いつぶれた学生は絶対横を向かせて寝かせるんだとも。
穏健な研究会やサークルに属していたからかも知れぬが、自分は悪質な飲み会というのには縁がなかった。

前任校の武蔵野美大で、酒に関するトラブルがあった直後に学内での飲酒禁止が教授会で決まったことがあった。
学生が指示に従順であったのが当時助手の自分としては意外で、いろいろけしかけたりもした。
学園祭前の時期でもあったので、酒について知ってもらう仕掛け作りや救護班の準備など幾つかの提案を学生に仕込んだ。
赤十字辺りに相談すれば喜んでパッチテストの支援もしてくれるだろうと。
そして救護スタッフのなり手が無いと学生が泣きつくと、「どこかでナース服を探して来い」と指示もした。
結果として学園祭では条件付きでの飲酒OKとなり、皆が入り口でパッチテストを受け、学内では高い競争率を勝ち抜いてナース姿となった学生さんが救護班として闊歩することとなった。
この記事の大学にはそういう空気が感じられないのは残念であり。

酒による悲惨な事故は出来るだけ避けねばならない。
でもそのやり方はいろいろあるはずであり。
規制を掛けるだけでなく教員や事務局員で対処できることももっとあるよね、というのを感じた次第。
国立大学さんのことでもあるので自分とは文化が違うのかも知れないけれど。
ちょっと寂しい記事でもあった。

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